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島根県作業療法士会
会長 小林 央

島根県作業療法士会は1983年(昭和58年)に12名の会員で発足しました。当時はみな一人職場で県内に点在しており、自ずと集まり学術・技能の研鑽に努めていたことを先輩方よりお聞きしました。2000年より回復期リハビリテーション病棟が医療保険に創設され、介護保険制度がスタートした頃より、私たちが従事する環境も大きく変わってきました。県内に作業療法士養成校が開設され地元で資格取得ができるようになったことは会員数を大きく増やし、当会設立20周年を迎えた2003年には会員数が200名を越えました。2012年(平成24年)からは、一般社団法人として作業療法の普及発展を図り、もって県民の健康と福祉の向上に資することを目的に県内の多くの作業療法士とともに活動しております。 

会員の多くは医療機関に従事していますが、近年の作業療法士の活躍の場は多岐にわたります。ある作業療法士は、地域の方とともに介護予防へ取り組み、ある作業療法士は学校や保育所などの先生と連携して子どもたちの発達の支援をしています。その他にも、認知症があっても安心して地域生活を送るためのお手伝いをしたり、生活のしづらさを軽減するために支援機器を導入したりと、県内における作業療法はさらに拡がっています。

私たちは、「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念のもと、医療・保健・福祉をはじめ行政機関、個人で事業を起こしたものも含め、130施設 530名(2021年4月現在)の会員を有する職能団体です。学術的根拠に基づいたリハビリテーションにおける専門領域(作業療法)が、県民のみなさまのお役に立てるよう日常の臨床業務に尽力しております。加えて、職能団体の活動や研修会を通じて知識と技術の研鑽、ひいては国家資格を有する医療人としての倫理観を養い、人格の陶冶に努めております。

2021年8月
島根県作業療法士会 会長 小林 央