みなさま 新年あけましておめでとうございます。

昨年は5月8日より新型コロナウルス感染症は感染症法上の位置付けが5類感染症へと移行したものの、おおよそ3年間の「自粛生活」から全く元の通りというわけにはならないことを感じる一年となりました。

少しずつ対面の会議や研修会は増えていますが、パソコンの画面を通じて自宅でできるようになったことは、移動する時間を要さなくなった反面、なんだか横着になったようにも感じています。コロナ禍を通して、公私を問わず懇親会の機会が減り、葬儀でお世話になった方へお別れのご挨拶を事前焼香で済ませてしまうことも、なんだか寂しさを感じてしまうのは私だけではないでしょう。

『作業をすることで人は健康でいきいきと生活することができる』私たちの作業療法の理念は、こうした新たな生活スタイルの変化の中であっても、人との関わりを大切にし、対象者や地域のすべての人たちが活動や参加に再び取り組むことができるために必要不可欠なものとあらためて認識しています。

2023年度 私たち島根県作業療法士会は設立40周年の節目の年を迎えています。オンライン研修やデジタルコンテンツを活用した学びの機会はこれからますます増え、今までとは異なる県士会活動のあり方を問われ、常に変化していかなくてはなりません。今、まさにこうした時代に私たちがどうあるべきか、何を取り組まなくてはならないか、500名を超える会員の皆様からの声を聞き・意見交換をしたいと周年記念事業の企画を進めています。各ブロックでの取り組みに士会役員も参加させていただきますのでその節にはどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2024年診療報酬改定は、かねてより懸案事項となっておりました私たちの処遇改善を実現できるプラス改定が示されています。この実現に向けては、厚生労働省をはじめとした関連省庁、自由民主党の政調全体会議、予算委員会、厚生労働委員会、リハビリテーションに関する小委員会、リハビリテーションを考える議員連盟等への渉外活動を重ねてきた結果に他なりません。(社)日本作業療法士協会は作業療法士がより働きやすい環境を作ることを役割の一つとして制度改正を行政に働きかけ、作業療法士の活用を他職種に働きかけ、作業療法士の社会的地位向上のために活動しています。私たちはその作業療法を実践し、対象者の健康と幸福に寄与できるよう、学術技能の研鑽と人格の陶冶に努め、歩みを進め続けなくてはなりません。

島根県作業療法士会会員の皆様が士会活動を通じて、日々の臨床業務だけでは得ることのできない広い知見と会員相互の繋がりを強みにし、活躍する1年となることを祈念いたします。

2024年元日
一般社団法人 島根県作業療法士会
会長 小林 央