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精神科作業療法チーム★研修会報告★
2025年10月3日 [精神科作業療法チーム]
「精神科作業療法懇話会」は、今年度から名称を「精神科作業療法チーム」と改め、8月30日(土)に研修会を開催しました。
研修タイトルは、「コグトレの作業療法領域における応用可能性」です。
『コグトレ®』は認知○○トレーニングの略称で、社会面・学習面・身体面の3つから子供を支援する包括的プログラムとして、現在では、高齢者の認知症予防や司法分野など多方面で活用されており、作業療法領域における活用についても注目が集まっています。
精神科作業療法領域においても、社会面・学習面・身体面それぞれ個々に働きかけるアプローチは長い歴史の中で様々な手法として展開されてきました。コグトレはそれを一つに網羅する包括的プログラムであるところが、精神科作業療法と非常に親和性が高く、魅力的でありました。また、近年は医療観察法病棟や、精神科療養病棟でのコグトレ実践報告もでてきており、是非この機会に学んでみたい!との声が集まり、この度の研修会のテーマとなりました。
研修会を開催するにあたり、コグトレの開発者の一人でもある、高知健康科学大学教授石附智奈美先生(日本COG-TR学会理事)を講師としてお迎えし、ご講演いただきました。当日は、同大学学長の宮口英樹先生にもお越しいただき、会場の松江市立病院がんセンター講堂には、作業療法士や理学療法士をはじめ、さまざまな職種や分野に従事されている44名の方にご参加いただきました。
石附先生からは、コグトレの概要や目的についてわかりやすく解説いただきました。特に、「正しい自己認知」「問題解決能力」「社会の一員として生き抜く力」という視点から、生活に課題を抱える方々が直面する困難について多角的にお話しいただきました。
グループワークでは、事例をもとにした演習として、ケースの認知的・身体的・社会的特徴の整理や、それらをターゲットとしたコグトレ課題の選定を行いました。初対面で領域や経験年数、ともすれば職業の異なる多様性に富んだ参加者同士ではありましたが、活発な意見交換がなされ、時間が足りないぐらいでした。
実際に身体を動かす認知課題や、社会性を養う課題を体験する中で、臨床場面において取り入れやすく、対象者のモチベーションの維持・向上にもつながることを実感しました。特に、グループで楽しみながら取り組める点は、幅広い対象者へ応用できる大きな魅力であると感じられました。
研修後のアンケートでは、
・「身体と頭の両方に介入できる引き出しが増えた」
・「コグトレの課題がそれぞれどの能力にアプローチできるのか理解できた」
といった感想が多く寄せられました。
今回の研修は、コグトレの有効性と応用可能性を皆で共有する貴重な機会となり、今後の臨床実践に新たな視点を加える大きな契機となりました。

